【おうち飯】たまにはリッチに汁作り【味噌汁】

 目算謝った。

食材の買い出しから難航中

 青文字=加賀
 銀文字=タクミ(タクミン)

 もうちょっと安価で買えるものと思ってたけど、まさかの大袋しか置いてなかった案件。
 こんなに買っても使いこなせないy……
「ただ、流石にこの小袋の小さいいりこではかなり分量計算が難しくなります。
 あと、既に食べられるように加工してある物は……どうなんでしょう」
 スケール出すの面倒臭いしなぁ(
「昆布も意外と値段するもんだな……」
 それな……その小さいの1袋で198円するもんな……
 『出汁材料だけで500円』と思ってたのが、まさかの『いりこと昆布で500円ずつ』クラスになるとは。
 本気で目算甘すぎた。
 加賀さん、今からでも顆粒だしの素に変えちゃダメ? それならうちに在庫あるし。
「いけません。今回の目的は『普段飲めないような味噌汁を作る』です。
 顆粒だしでは例え味噌にこだわっても、土台の部分で味が画一化されてしまいますから」
 それな。よく解る。
 結局の所『誰が作っても同じ味になる』っていうのは、そういう事なんだよな……
「まあ、余った分はまた他の料理に使い回していこうよ。
 そうすれば意外と早くなくなりそうな気がするんだ」
 その行為が結構難しいんですけどね……
 嗚呼、観音様に『また不必要に買ってきてー!』って怒られる未来が見えるぅ……

まずは出汁取りから

「それでは、提督、タクミさん、始めましょうか」
「ちょっと待って、ねえ加賀、味噌汁作るのは明日の夕方だろ?
 今日のうちから何をするんだ?」
「私達日本海軍のやり方では、出汁は前日の晩から水出しするのです。
 通常行う『火入れ』よりも、上品で柔らかい出汁の味になりますよ」
 そう言えば、昔読んだ『海軍めしたき物語』でもそんな風にして書いてあったね。
 前日の晩から釜に水張って、そこに出汁突っ込んで調理前に取り出すって。
「その通りです。このやり方は料亭などでも行われているやり方ですので、覚えておいて損はありません。
 タクミさん、頭と腸を取り除いて頂けますか。提督はその間に昆布の準備をお願いします」
「結構丁寧にやるんだな、こちらの軍隊は……」
「食の善し悪しは、兵の士気に関わりますので。
 他国の海軍では食事が原因で叛乱が起きた例もたくさんあります。
 だから何処の軍も、糧食や炊事体制には気を遣うのですよ。貴方の所もそうではないですか?」
 そういや、赤城さんとこなんかはかなりスイーツ始め美味い飯がばんばか出まくってたから、艦内風紀が行き着くところまで行かなかった、という話はどっかで目にしたな。ただ、後の研究では戦歴を比較するとそれだけが原因じゃない、と言われるようになってたけども。
「そうかもしれませんね。私は日中戦争開戦前から長期間戦場に居ましたから……」
「うちは……たまにとんでもないのが食堂に出てたな……ドジメイドとかセツナとか……
 あ、タクミっちが目ェ逸らした。
 この話題はここまでにしとくか……w

煮干しの頭をむしった後、お腹から開いて黒い腸部分を掻き出す。これで苦みなどの雑味の浸出を更に抑えることができる。

 出汁パックに入れて完成。水は1L用意した。
 こいつをシールリッド(『取っ手の取れるティファール』専用保存蓋)で蓋して、
 冷蔵庫に入れれば今夜の作業はおしまいだ。
 さて、次の日どうなってるかな。

当日の作業 -簡単なようで奥が深い味噌汁-

 そして、これが丸1日近く冷蔵庫で水出ししたお出汁になるわけですが……
 なんか、微妙に昆布の甘みは出てるんだけど、あごだしっぽさがなくない……?
 分量間違えたかな……?
「それは提督が、普段から結構濃い割り方の出汁しか使われていないのもあるかと」
 あーうん、それはあるかもしれない。
 割と4倍濃縮のだしの素を希釈しないで使ったりとかしてたわw
「それならば、提督、この状態から火入れをしましょうか。
 そうすれば、更に濃く出汁の味も出せますし、最初から火入れするよりは柔らかい味になります」

<煮干し出汁の火入れのやり方>
 1)煮干し・昆布は30分以上鍋の中に漬けておく。
 2)鍋を『5分程度で沸騰する』くらいの強さの火にかける。
 3)沸騰したら火を弱めて灰汁をすくい取る。昆布はここで取り出しておく。
 4)煮干しだけ更に5分煮る。

 こんなもんでどうかな?
「あ、さっきより少し魚出汁らしい味がするね」
 コレなら、十分ベースとして行けるんじゃないかな。
「大丈夫だと思います。
 ……それで、提督、具材はどうされるのですか?」
 えっとね、うちの実家の味に倣ってね、コレ使おうかとw

「そう言えば、提督の御実家の味噌汁は、ジャガイモが定番でしたね……」
 そうそう。OIMOとわかめの味噌汁でいこうかと。
 さつまIMOも考えたけど、甘いからバランス取れるかはちょっと。
「でもさ、依玖……
 あんた、今日、わかめ買ってきてたっけ……?」

 ( ꒪⌓꒪)えっ?

 わかめ買ってくるの忘れたああああああああ!!!
 おんなじコーナーに増えるわかめ置いてあったのになんてザマだあああああ!!
「タクミさん、何をしておられるのです?」
「いや、依玖のことだから、この辺の食材置場に何か埋もれさせてないかと……」
「まあ……提督もあの調子ですから仕方ありませんが、あまり勝手に漁るのは感心しません。
 次からは提督に一声かけて頂くようにお願いします」
「わかったよ。ごめん、加賀。あんた相方と違って結構怖いな……
 ねえ、依玖、あんたの備蓄漁ったらこんなの見つけたよ? これ、使えない?」

 ナイスタクミン!!! それならわかめ入ってる!
「えへへ、よく見つけただろ? ちょっと加賀には怒られたけど……
 まあ、そうね。この乾物置き場、私のだけじゃなくてばぁばのも入ってるから、漁る時は一声かけてもらえると嬉しいよ。勝手に使っちゃうと別の日に事故が起こりやすいから。

 先に出汁でOIMO煮ておいて、そこに他の具材を投下したのがコレだけど、
 タクミン……コレちょっと入れ過ぎじゃね……?
「うぅ、こ、こんなに増えるとは思わなかったんだよーっ!!
 ど、どうするの依玖?!! 今からでも汁足すか?!」
「無理です。今から作るとなると、顆粒だしの素で作るしかないですし……
 それに、鍋がもう満杯です。汁を足したら溢れます」
 ……加賀さんの言う通りだ。このまま味噌投入するしかあるまい。

完成、この時だけの味噌汁

 完成。味噌汁と言うよりわかめ汁だけど……コレはコレでいいか。
 お腹にいいのは間違いない。
『昔の日本が白夜の元ネタ』って依玖が言ってた理由がわかった気がするよ。
 この時代の食材の事、もうちょっと勉強しないとだな……」
 まあ、あれよ。年々技術革新で使いやすく、より自然に近いものが冷凍やフリーズドライ・レトルトパックなんかで出てくるのが現代の食品開発だから、知識をアップデートし続けるのは骨が折れるかもね。私は好きだけどw
「味は悪くありません。ただ、味噌が秋田の赤味噌なのもあって、若干辛く仕上がってますね」
 そうね。結構しょっぱい。味噌の量もうちょっと減らしても良かったかも。
 私はしょっぱい方が好きだからこれでいいけど。
「あまり塩の強い物ばかり食べられると、血圧上がりますよ。自愛なさってください、提督」
 ゴメンナサイ。あんちゃんやたっちゃんこに叱られない程度には控える。
「これさ、汁かけ飯とかにしたら、結構いけそうじゃないか?
 白飯と合わせる方が美味しくなりそうな気がするんだ」
 そうだね。タクミンのアイデア、かなりいいと思う。
 汁かけ飯もいいけど、雑炊やおじやにしてもいいかもね。もっと味が染むし。

 次は何を作ってネタにしようかなぁ。
 その前に……この余った煮干しと味噌、どうしよう。

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