【お買いあげ】アラジンの補習#1 -他にもあります、ダメなもの-【海外通販】

 赤文字=堀辰雄(たっちゃんこ)

 むーん……なんか最近、
 完全に特集記事だけにとっかかりっきりになってる感じがするなあ……
 ゲームやりたい。グリムエコーズの記事書きたい。
 なんかすごくすごーく時間に追われてる感が強いのん……
「こちらの更新だけじゃなくて、こえログのほうもありますしね。
 でも、1週1本は更新できているのだから、なかなかに頑張っているとは思いますよ?」
 そう言って貰えるとね、嬉しいけどね。
 アレなんだよね……結局自分を救うために自分で作ってるだけだって割り切っちゃ居るんだけどさ、
 『別にぼーっと生きてるだけでも良いんじゃね?』ってふっと思った時にね、手が止まるんだ。
 心がそのままポッキリ逝っちゃいそうな瞬間。
「でも、今回の記事を書いてる最中に熱心に調べ物してらっしゃいましたけど、
 あれでかなり知識が増えたんじゃないですか?
 それだけでも得るものがあったんじゃないかと、僕、思います」
 そうかもしれないね。特に禁輸品と技適マークの話。
 アレ知らなかったらマジヤバかった。私のホイホイ買いそうな品物も入ってたもん。
 いや、ホント、観音様も言ってたけど、
 何処にどんな落とし穴が空いてるかわかんないもんだ……

 ――で、さ。
 今回の特集終わったら、すぐに観音様の宿題の方もやらないといけなくなっちゃった。
「観音様の……と言いますと、コストコ特集ですか?」
 そうそう。3月半ばから3週間程東京に帰ることになったから、
 そうなるとまたコストコ多摩境店に足運ぶことになるしね。それまでには。
 グリムエコーズもラングリッサーモバイルも滞在中にアニバーサリー来ちゃうし、
 ちょっとマジでゲームの話する機会なくなっちゃったよ。どうしよう。
「無計画に生配信まで始めちゃうからですよ。
 暫くはそちらでゲームの話をしていくのがいいのではないでしょうか。
 頑張りましょう。見てくれる人が待ってます」

他にもあるんです、法律の規制を受けるもの

 青文字=アラジン(アラ坊)

「依玖さん、お話中のとこ、すんません……
 補習をお願いしたいっす……」
 うわっ、アラ坊、そんな真っ青な顔してどうした?!
 あと、その抱えてきた資料の山は何だね……( ;゚д゚)
「この間の特別授業で、アルテミスが携帯電話の話やってたっすよね?
 アレがいろいろ気になって、俺、自力で調べてみたんすけど……
 『○○法』だの何がダメだの、免許がどうとか、いろいろ入り乱れて訳わかんなくなっちまったんす……
 依玖さん、解説お願いできないっすか……」
 ほいきた!
 #2の記事を書く途中でいろいろ調べまくったから、バッチリ教えちゃうよ!
 よし、初の補習回、いきましょうかね!
 ……っとその前に、たっちゃんはどうするね?
「お付き合いしますよ。彼がちゃんと最後まで解るようにお手伝いさせて頂きます」
 申し訳ない。あんがとね。

1)電波法(特別講座の続き)

 じゃあ、まずは特別講座の流れから、電波法をいこうか。
 アルテミスやアスモデくん呼んでも良いけど、今回は私が直々だ。

他にもこんな物が引っかかります

○ラジコン・ドローン
 本体+バッテリー重量200g未満で、電波出力を低く調整された『トイドローン』『ホビードローン』と呼ばれる種類の物は、免許がなくても飛ばすことができる。ただし、自宅敷地や公園等の開けた野外で、『肉眼で見える距離』『高度150m未満』が条件。
 これ以外の2.4GHz帯を使用するドローンで電波出力10mv以上の物・
 5.7GHz(産業用ドローン)・5.8GHz(レース用ドローン)は技適マークに加えて、『アマチュア無線免許4級以上』と、『無線局の開設申請』が必要。5.7GHz帯のドローンは更に上の『第三級陸上特殊無線技士』資格が要る。
 他にも、ドローンの実運用に際しては『航空法』『小型無人機等飛行禁止法』といった『飛ばすための法律』も関係してくるので、国内で買うにしても『自分の環境で使えるの?』という点をしっかりと熟考した上で購入に踏み切って頂きたい。

○Wi-Fi・Bluetooth接続機能のある機器
 両方とも2.4GHz帯・5GHz帯をバリバリ使うので、技適マークのないものは全てアウト。日本在住の日本人に外国人特例は適用されません。
 前回の特別講座で述べた通りスマホ・タブレット本体は勿論の事、PCI-EXバス用のWi-Fi通信アンテナカード・無線マウスやキーボードなどの接続機器も対象になる。
 一番の落とし穴はスマホ周りの便利グッズ。ワイヤレスイヤホン・ヘッドホンや『自撮り棒』がこの辺に引っかかる。

○小型トランシーバー(無線機)系の機器
 さっくり『トランシーバー系の機器』と書いたけど、インカム類やコードレス電話、実は意外な所ではみまもりグッズとして人気の高い『ベビーモニター』等のワイヤレスカメラや『アニマルマーカー』もここに該当してくる。
 特に米国規格『FRS(Family Radio Survice)』『GMRS(General Mobile Radio Survice)』のトランシーバーは放送・公共無線への妨害の恐れがあるため、日本国内では使用が禁止されている。日本国内での使用向けに技適マークを取った機器もちゃんと出ているので、そちらを購入されたし。

○電波リピーター(増幅器)
 日本では携帯電話会社が許可した場合を除き、
 個人での利用が認められていない。

 AliExpressではフツーに売ってます(確認済)。

○小型微弱電波設備
 FMトランスミッター・ドアホン・車のキーレスリモコン・ワイヤレスマイク・防犯カメラ等がここに該当してくる。3m及び200mでの電解強度が一定値以下の物なら、『微弱電波設備』として無線局の免許なしでも利用できる。
 実際に2014年4月に、カーナビ内蔵のFMトランスミッターが原因で消防用無線に障害が与えられて電波法適用になった事例もある。

「結構いろいろあるんすね……
 というか、スマホ周りのオプションとかアルテミス用の無線接続機器って、注意しないと割と誰でも買っちゃうレベルの品物じゃないすか!」
「依玖さん……僕、ちょっと怖いことを考えついてしまったんですけど、いいですか?」
ん、どうぞ。
「前に最上さんが、『Aliexpressの品物が結構日本国内のAmazonに流れてきている』ってお話をされてましたよね?
 もしかしたら、こうしたお品も、日本のAmazonに流れてしまっているのでは……というのを、僕、ちょっと考えてしまったんですけれど……」
 実際、危惧した通りの状況になってると思うよ。
 日本進出してきた中華法人のみならず、輸入販売を手がける業者がもう中華からも国内からも大量にこうしたマーケットプレイスに集っているからね。Yahooストアやヤフオク・楽天なんかも軒並み似たような状況だと思う。
 詳しくはこの後『電気用品安全法(PSEマーク)』でもやるけれど、
 実際Konozamaで売ってる中華製USB充電器にはPSEマークがないものも多く出回っている。技適マーク製品も同じような状況だと思うよ。

違法製品を掴む可能性がある買い方:
○海外通販で買った
○海外業者が出品している物を買った
○中古品を買った

 海外で売られている分には『その国では合法』というのもあるから一概に悪いとは言えないけど、国内での各マケプレ・フリマアプリ出品物に関しては、技適マークの有無を必ず出品者に確認しよう。

ELPマーク:
 『微弱電波設備』のうち、技適に加えてさらにJAAMA(全国自動車用品工業会)・EMCC(電波環境協議会)自主的に電波法適合品を判別しやすくするために付けているマーク。
 2010年代半ばは海外(中華)製品の台頭や携帯電話用品の需要の爆発的増加もあり、微弱電波設備に於いて製品テストの結果、技適マークの定めた出力を大幅に上回る製品が多かった。それを鑑みてできた制度。
 技適マークと違い、個人に対して法的な拘束力はないが、販売者に対しては努力義務が設定されており、従わない場合は総務省からの勧告・命令の対象になる。

「依玖さんは結構、車載用品をいろいろ使ってらっしゃいますよね」
 そうだね。RavPowerのUSB PD対応充電器(45W)とか、この間買ったスマホスタンドとか、タブレットホルダー・ベビーミラーなんかだね。
「あれ? 電装品は、充電器だけなんですか? 今……」
 昔はFMトランスミッター使ってたこともあるけど、今の車に換えてからは、AUXケーブルでiPhoneとカーオーディオを直繋ぎしているよ。音質も良いし、楽。
 無線でデータ飛ばすのに再圧縮をかける都合上、どうあってもBluetooth製品の音質は有線接続を越える事はできないしね。それに、充電しながら音楽聴こうとするとドチャクソノイズ乗りまくるから、実際は充電用の分配ポートは使い物にならないよ。
 だから、充電に余裕あるときはAUXケーブル繋いで音楽を流す。充電40%以下の場合は必要に応じて充電を優先する。それが一番良い使い方だと思う。
「依玖さん、電波法の取り締まりってどうなってるんすか?」
 結構厳しいデスヨ。
 現在は『DEURAS(デューラス)』という日本全国に張り巡らされたセンサー局を11箇所のセンター局から遠隔操作しつつ、移動電波探知車で発信源をつきとめる監視システムで不法電波を摘発しているよ。
 この網に引っかかるとガイダンス放送で『直ちに電波の使用を止めなさい』と言われます。此処で素直に止めないと捕まっちゃう。
 こうした電波法違反での検挙数は、平成初期から比べると大分減ったけれど、それでもまだ年間3000件近い検挙数がある。しかも比率として、無線放送局や市民ラジオよりも『その他機器』の比率が高くなっている。
 無線機器は、安易に海外で買わないで、技適マークやELPマークの確認できる日本の国内流通品を買って使おうね。
 使ってしまったら、買った方も容赦なく罰されるのが電波法だから。

2)電気用品安全法(菱形・丸形PSEマーク)

PSEマーク:
 電気製品を特に危険度の高い『特定電気用品』とそれ以外の『特定電気用品以外の電気用品』に分け、経産省の定めたテスト項目に合格した製品に対して表記が義務づけられる。このマークがない製品を販売した場合、最大で1年の懲役または100万円の罰金刑。法人の場合は億単位になることもあり、加えて自主回収が義務づけられる。
 個人での使用に関しては特に罰則は無い。が……

「その続きがめっちゃ気になるっすけど」
 あ、やっぱり?w
「そんな意味深な切り方するからですよ」
 ああ、あのね、何のことはないんだ。
 もし、PSEマークがない機器で事故って家が燃えたり怪我したりした場合、
 保険が下りませんので個人でも注意した方が良いよって事。
「路頭に迷うこと間違いなしな事をさらっと言わないで欲しいっす……」
 まあ、電気製品はそれだけ危険なんですよって事。
 そしてここでさっきの話に戻るんだけど、

 最近は日本に法人を置くメーカーの物が検索結果を占めるようになった所為か、影が薄くなった感は否めないけど、こういう品物も結構出回っててね。
 AnkerとかAUKEYとかRavpowerとかOmarsとか、割と日本法人置いてメジャーになってきた所のなら間違いなくPSEマークついてるし、他の品物も商品説明にPSEマーク取得の旨を書いてアピールしてくるようになったけど、
 それでも油断してると国内でもこうした品物を掴んでしまう可能性がある。
 疑わしきは買わない。コレ大事。
 それと、去年2019年の2月から、リチウムイオンバッテリーにも丸形PSEマーク(特定電気用品以外)の表示が必須になったよ。私のは2018年夏(PSE表示移行期間)に買ってるからマーク着いてないんだけども、乗り換えするべきなのかなどうなのかな、って思う。
 今のバッテリー問題なく使えてるから勿体ないけど、でも万が一があったら怖いし。
「難しいところですね。僕は、万が一を考えると乗り換えたほうが……って思います。
 それに、リチウムの炎って確か消火が大変だと覚えているんですが……」
『消すのが大変』って、どういう事っすか?」
「リチウムは、水と反応して水素を出して、発熱する性質があるんです。
 だから、確か水で消火する際は、かなり大量に水をかけないと消せないはず、と記憶しています。発熱量を上回る量の水をかければ、冷却効果の方が勝りますから」
 さすがは元理系学部出身。概ねその通りでね、不純物を含まない純水・超純水なら化学反応を起こすことはないんだけど、普通の水だと不純物が電解質の役目を果たしてしまうから、化学反応が起きて水素が出てしまうっていう話よ。塩水だと尚更ヤバいね。
「具体的には、どのくらい水が要るっすか?」
 スマホやバッテリークラスだったら、深く完全水没するくらいの量は必要だよ。
 炭酸水でも良い。炭酸は消火に有効だから。
 周囲に燃え広がってしまった場合は、ABC粉末剤や泡・金属火災用の消火器を使うか、場所によっては砂をかけるという消火方法もある。覚えておいて損はないと思うけど、そうなったときはもう自力消火より消防隊の皆さんを呼ぶべきだと思うな、私は……
 ――何にしても、

○衝撃や圧を加えない
(落とすのは勿論、バッグの底の方で他のモノの下敷きにしたり、
ズボンのポケットに入れっぱなしの状態で座ったりするのがマズい。
おしりの圧力なめたらアカンよ)
○高熱になる場所に置かない(特に夏の車内)
○過電圧をかけない・長時間充電したまま放置しない
○熱を逃がせない環境で使わない(バッグやポケット入れっぱなし等)

 だいたい発火の原因になってるのはこの辺の行動なので、
 使用上の注意をよく読んだ上で、リチウムイオン製品は正しく運用してね。
 それともうひとつ大事なのは、粗悪品を買わないこと。
 直流型の充電器もそうだけど、だいたい頭1つ以上飛び抜けて安いものには『安全装置がついてない』『冷却装置の不備』『コンデンサ周りが安物』といった安全上の欠陥が隠れていることも多々あるので、信頼できる製品かどうかを見極めて買うようにしよう。
 その為の指針になるのがPSEマーク、というわけだね。まぁコレも丸形PSEに関しては自主検査でもいけてしまうから、菱形PSEよりはね……マーク自体の信頼度がね……(モゴモゴ)
 ついでに言うと、2010年代前半~中盤には、『AC充電器に丸形PSEマーク』等というPSEマークの仕様を理解していない中華業者によるトンデモ品が多く出回っていた。
 現在はこうした製品は駆逐されつつあるものの、やはり前述したように『マークなし』だったり『偽の技術証明書付きの偽造丸形PSE』というものはあるところにはあるもので、見分けるポイントはマークの近くに会社名があるか。これは『マークの近くに事業者名称または登録商標を明記する』事が義務づけられている為。あればほぼ間違いなく本物。検査機関の表示もあると尚良し。JET(電気安全環境研究所)マークが有名だね。
 AC充電器やコンセント付き機器が対象になる菱形PSEは、『政府認定の検査機関』で合格しないとつけられないし、この場合は検査機関表示も必須になる。なのでちょっとは安心できるかな。
「依玖さん、マークの見分け方は解ったっすけど、
 『価格が安いもの』が何で判断基準になるんすか?
 安全装置周りでコストを削ってるのは確かに危ないっすけど、そういう品物ばかりじゃなくて、営業回りで安く抑えてる品物も、その言い分だと全部違法、という事になっちまうっすよ?」

 それはね、アラ坊や、PSEの検査って1回につき2桁万円かかるからデスヨ。
 だいたい50万円から70万円って言われてるね。
そんなにかかるんすか!?
 あー……うん、確かにそりゃ、値段に跳ね返ってないとオカシイっすよね……
 薄利多売するにしても、相当数を売らないと回収できない額っすもんねぇ……」
「だから、『不当に安いものは怪しい』って話なんですね」
 そうそう。金の出所と回収方法を考える、ってのはどんなビジネスモデルにおいても、その安全度を考える上で非常に有効な手段だよ。
 この間も、アルテミスが技適マークの話で、端的にだけど『自分で技適マーク取るとお金かかりますよ』っつってたよね?
「そうっすね。その後に依玖さんが注釈つけてくれたのを調べてみたっす。
 かなりお金かかるって事は直感で分かったんすけど、そうなると、どうして今の市場価格みたいに安く作れるんですかね?
 それがわかんなくなっちまって困ってたんすよ」

 それは、大量生産する機器に対しては規定台数をピックアップして検査する事で、『均一な品質を保てている』と担保して一括で技適認証を付与する『工事設計認証』という制度があるからだよ。
「なるほど。工場の生産ラインも一緒に検査にかけて、それで認証が降りた後に作られる品物については、再手続きなしで技適マークが付けられるようになるんですね。
 あ、そうすると、今お話にあるPSEマークとほぼ同じ感じですね、コレ」
 概ねその認識で良いと思う。これも1品番毎に2桁、条件によっちゃ3桁万円かかる。
 通常の技適証明だと、再仕入なり何なりして売る場合はまた試験手続きに回さないといけないからね。定期的にコストが発生する事になるわな。
「毎回毎回同じ出費が続いたら、儲け出すどころの話じゃないっす……
 大量に作って売り捌くからこその値段の付け方がある、って事っすね」
 そうそう。それでいいよ。
 他にも原価計算(工場の稼働コストや人件費なども含む)や販路の開拓維持・輸送諸経費など様々な要素はあるけど、最終的には一定相場の金額からは大きく崩れてくる事は技術革新でもないと稀だから、
 そういう点でも『不当に安い奴はヤバい』という結論に行き着くと思うよ。


それと、電気製品ではないんだけど、
一部の『一般用途でも特に危険度の高い商品』に関しては、
『消費生活用製品安全法』でこのPSCマークをつける義務がある。

PSCマークの適用製品:
○家庭用圧力鍋・圧力釜 ○登山用ロープ
○バイク・原付用のヘルメット
○石油式給湯器 ○石油ストーブ ○石油風呂釜
◇ベビーベッド ◇浴槽用温水循環器 ◇ライター
◇携帯用レーザー応用装置(レーザーポインターや距離計・プロジェクターなど)

「こちらは、なかなかに使い方を誤ったら大変なことになる物ばかりですね。
 でも、何故レーザー商品が対象になっているんですか?」
 レーザー光は、人間の目には一番危険な『武器』なんだ。
 直視すると眼球に致命的なダメージを与えてしまう。失明もする。
 レーザーポインターをスポーツ観戦時の相手チーム妨害や、道行く人や運転者に照射して危害を与える犯罪は未だに残ってるしね。
 レーザー光を使った小型プロジェクションディスプレイとか、距離計・放射温度計・水平器なども出てきてかなり便利な製品が増えてはいるけど、まぁ、これも人間の頭の方が追っついてないという好例ですな。

ちょろっとブレイク -アラジン君ノックアウト-

 さて、電装品に関する法律はここまで。ここから先は、その他の品物に対する規制についてやっていこう。
 ……アラジン、大丈夫ね? ついていけてる?
「すんません! もー、無理っす!!!
 依玖さんの説明、解りやすくて助かるっすけど、
 もう覚えることがとにかく多すぎて、一度整理する時間が欲しいっす……」
「まあ……それだけ、普段僕達は法の定めた安全基準で守られてる、って事の裏返しでもありますよね。『電気用品安全法』は僕達の時代にもありましたけど、ここまで厳しくはなかったです。時代と共に法も変わりゆくものなんですね」
 あれ、電安法ってそんな昔の法律だっけ?
「僕達の頃は、『電気用品取締規則』という名前だったんです。品物もそこまで多くはありませんでしたし、PSEマークのような記号もなかったですよ」
 (カチャカチャカチャカチャ……ターン)
 ホントだ。電安法の始原は『電気用品試験規則』(大正5年)まで遡るのか。
 その頃は形式と型番による政府登録制で、それが1961年(昭和36年)に『電気用品取締法』になり、PSEマークの前身『甲種』『乙種』マークができたのが、1963年(昭和43年)という流れになるんだね。たっちゃんが亡くなって、ちょっと経った後か。
「そういう事になりますね。そして依玖さんのお話を伺っていると一層感じるのですが、
 技術の進歩とインターネットの広がりに、全く法整備が追いついてないですよね……」
 それはたっちゃんの言うとおりだと思うよ、私も。
 インターネットの普及で誰も彼もが世界と簡単に繋がれるようになって、前に触れたように個人で中国輸入を行う人間も出てきたし、最新ガジェットの不注意な取り扱いによる事故や、今までにはなかったようなネット上での詐欺事件なんかも年々増えている。
 個人個人で気をつければ十分防げるものも多いけど、残念ながら、日本の法整備のプロセスでは後手後手に回らざるを得ないのが現状だし、それ以前におつむの中身があまりにも弱い日本国民が増えすぎた。自力で調べない、文章読まない、自分の頭で考えない。そんな人間がここ数年で飛躍的に増えた。
 何にしても私からひとつだけ言えるのは、『法律は知っている者の味方』であり、その存在を知らぬ者まで等しく護り救う概念ではないって事だ。犯せば罰が与えられる。
 今の水準高い安全な暮らしが何によってもたらされ、支えられているか、今一度考え直す良い機会なのかもしれないね。今回の話は。
 ただ、今後も加速を続けていく技術の進歩に法整備が追いつかないことで、望まぬ不利益を被る人間が出たり、新しい技術開発・運用の妨げになるのもいけないと考えてる。
 ……注意深く見守っていかないとね。

 さて、じゃあちょろっと休憩挟んでから、後半戦行こうか。
 日を改めてもいいけど。
「え……まだ続きがあるんすか……」
 だって今回、電装品周りしかやってないじゃん。
 この他にも大きな落とし穴があと3個ほど残ってる。
 次はそのうち『食品衛生法』『薬事法』をやるよ。ガンバレ。
「また手強そうな法律が来ましたね……
 アラジンさん、大丈夫です……?」
「うぅ……既にこの時点で心が折れそうっす……」
 それだけ大変なんだヨ、現代の商売の勉強っていうのは……
 本当にポッキリ逝かない程度には加減して情報出してこうかね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました