【PC講座】単に録音・録画すれば良いというものでもない【番外編】

 橙文字=陸奥守吉行(吉行あんちゃん)

「依玖、ついに始めたんじゃな、動画講座!
 『やりたいやりたい』言うちょったんはよく見てたが、今回は随分手が早かったのう。
 偉いぜよ。その調子で頑張るんじゃ」
 うん。ありがと、あんちゃん。

 きっかけはこのツイートだったんだけどね。
 私がちょくちょく絡んでる文士畑界隈の人。
 『音声配信がやりたいけど、何から用意して良いのか分からない』って話だったから、いつもお世話になってる恩返しとして、私の知識をお裾分けする事にしたんだ。
「困っちょる御仁を助けるんは、えい事にゃ違いないわい。
 いつも捻くれた目で流してばかりの依玖重にしちゃあ、珍しい事じゃがの」
 流石あんちゃん、信用ないな私( ;´Д`)
「そんだけ普段の行いが問題だらけなんじゃ。反省しいや。
 今回は面白そうじゃきに、わしも一緒させて貰おうかの!」
 まぁ……新し物好きのあんちゃんだから絶対食いついてくると思ったけどさー、言うてあんちゃん、PCの技術的な話とか……
 あーいや、コレは薮蛇か。iOSデバイスで写真撮ったり動画撮ったりの基本操作はバッチリできるもんな、あんちゃん。
「突っ込んだ所でわからんなったら、アルテミスやヘインに聞くき、
 なんちゃあないない。

 ま、その前にお前がなんじゃかんじゃ口出しとるじゃろうしのう」
 ……はいはい。
 完全に行動パターン読まれてて泣きそう…….( ;´Д`)

とある怪人のお悩み相談 -デジタルデータに『絶対』はない-

 黒文字=ファントム

「話し中のところ、すまない。依玖重、君の知恵を貸してもらえないか」
 ……珍しい人から相談が来たな。はいはい、何でしょう?
 心なしか顔が赤いのは気のせいかな?
「実は……『彼女』の歌を、君の持つ技術で永久に保存しておけないだろうか?
 あの最高芸術を、いつでもいつまでも堪能する事ができたら……と思うとな……」
 あー、うん。クリスティーヌさんの歌ね……w

「何ぞ、無理難題を押し付けられた感じじゃのう、その顔は……」
 うん。あのね、確かにデジタルデータとして録音しておくのは、できるよ。再生もスマホやアルテミスで気軽にできる。
 ただ、ね……

 『いつまでも』の部分が無理ゲーなのですよね……

「そんなに難しい話なのか?」
 データを保存しておく容れ物の方にいろいろ問題がありましてですね……

■CD-R・RW(DVD・Blu-rayも一緒)
耐久年数は20年〜30年程度 ○傷がつくと読めなくなる
○湿気で容赦なくカビが生える ○ワレモノ(プラスチック)
■SDカード(USBフラッシュメモリー含)
○電子によるデータの『保持寿命』と、記録素子自体の耐久性による『書き込み回数制限』という2つの寿命がある
○保持寿命は製造後10年程、書き込み回数も含めた実際の寿命は2年〜5年程度
○死ぬときは本当にいきなり死ぬ(HDDはまだ音がするから……)

■HDD
○使用頻度にもよるがだいたい3年〜5年程度
○長期間通電していないと、簡単にベアリング部分が固着して動かなくなったりもする 衝撃厳禁(軸がずれたら一巻の終わり)

「こうして依玖に並べてもろうたら見えてきよったけんど、
 アルテミスのデータは便利になった反面、紙や木簡のように長く保たせる事ができんようになっちょる感があるのう……」

 その感想は間違ってないですわ、あんちゃん。
 だって市場原理主義が全てのこの資本主義社会、大量生産大量消費が是とされる世界においては、『買って使って壊して買い換えろ』が大正義ですからね……
 『ひとつの物を長く保たせる』という考えがもう化石のように扱われてんのよね……
 嘆かわしい世界だとは思うけどね……
「回避策はないのか? 依玖重」
 あるとしたら、かっちり管理した上でまめにバックアップを取り続ける事くらいだよ。
 それも定期的に出費が発生するから、なかなか大変だけどね。
「おお、そうじゃ、『クラウドストレージ』っちゅうやつはどうじゃね?
 依玖がいつもデータの受け渡しに使っちょるアレじゃ!」
 あんちゃん、クラウドストレージは『商業サービス』だから、収益性が悪くなったらあっさりとサービス潰れてデータもぜーんぶパーだよ!?
 確かに、機器の保守をサービス側でやってくれるのはありがたい話だけども、それなりの容量を確保しようと思ったら、バックアップ用のHDDが数ヶ月で買えちゃうくらいの月額料金が毎月のしかかってくるからね?
 導入費用をケチった結果、維持費用でそれ以上取られるとか、観音様が聞いたら顔が『ムンクの叫び』になってそうな話だよな……
 それ以外にも、ファイルは使えば使うほど『断片化』と言って、細かいデータの一部が保存領域内のあちこちに散逸してしまって、進むと最後は読み出せなくなっちゃうし、クラウドストレージの場合はネットを介する以上、サイバーセキュリティの問題もある。
 割と外部攻撃に因る個人情報やデータのお漏らし例が後を絶たないからね……

 ……何にしても、ファントムさん、ゴメン。
 『手軽に堪能する』手助けはできるけれど、『いつまでも使えるようにする』というのは現在の技術では無理だ……
「承知した。では、『手軽に歌を聴ける』方の知恵を貸して貰えるか。
 それは、機械に詳しい君の得意分野と見ているのだが」
 うん。そっちの方向でなら、力になれるよ、私。
 ……ただ、いろいろ覚えて貰う事も多いけど、大丈夫かな?
「大丈夫だ。今の吉行との会話でも、だいたいの雰囲気は掴めた」
 了解。それじゃ、最初は……

餅は餅屋、『質』を求めるなら専用機材

 ――ところでその前に、ファントムさんに1個確認したいんだけど、
 ファントムさんは、クリスティーヌさんの歌を、『歌声だけ』保存したいの?
 それとも、『歌っている姿も含めて』取っておきたいの?
「できる事ならば、『両方』が理想だが……それがどうかしたのか?」
 いやいやいやいやいやいやいやいや、大問題ですよ、ココは!!?
 使う機材がまるっきり変わってくるし!!
「依玖、そこはアレじゃ、
 最初にスマホで動画撮って、そこから音だけ分けりゃええろう。

 ……そがなわけにもいかんながか?」
 あんちゃん、そのやり方は、大きな問題があるんです……
 『音質』という大きな問題が……!!
「そういえばこの間、アルテミスとアントワネット嬢は『同じ記録でも、実際に鳴る音は機械毎に違う』という話をしていたな。
 もしかすると、それは、『保存するとき』にも言える事なのかね?」
 はい。ファントムさん、大当たりでございます…… というか聞いてたのかアレ。
 音には音の、動画には動画の、
 
それぞれ保存に適した機械があるのです……!

 確かに、スマホの内蔵カメラやマイクは年々進化してっから、スマホ本体だけでも『それなりに良いモノが録れて』『すぐにネットに公開できる』という点においては、その使い勝手は他の機械の追随を許さないんだけれども!
 それでも、やはり専門のマイクやインターフェース・ビデオカメラなどにはまだまだ敵わないところがあるのです!
 ……というのが、ゲーム実況・Podcast、ミラティブと音声・動画コンテンツやってきての私の結論。
「そうか。依玖重は今、音声や動画の配信をまた行っているのだったな。
 ……だが、熱弁する割には、装備品がかなり簡素ではないか?」
 お金がありませんので(血涙)
 再生環境もそうだけど、録音音質もとことん突き詰めていくと、こちらも結構なお金がかかっちゃうのですよ。実際にプロミュージシャンの方々が使う機械は、10万円クラスからのものも多いし。
 単なる一個人の趣味で、しかもそれでお金稼いでるわけでもないし、何時飽きて止めるかわかんないのに、そこまで大きな投資はできないです。
「その辺は、今回大分割り切ったと思うちょった所ぜよ。
 手持ちの物を無駄にせず、できる範囲で頑張っちょる。辰雄や観音が褒めちょった。
 ほうじゃ! お前、年の頭から始めよった貯金、
 アレは今どうなっちょるがか?」

 え、あんちゃん、ここで報告するん?
「ほれほれ、気にしたらいけん。ちゅうか、わしも気になっちょるきに」
 あ~の~さ~……吉行あんちゃんさー、それさー……単なる個人的興味じゃね~……?
 はい、えー、今のところの目算だと。
 5月末にはアイツが家にやって来ます!!
 自力で頑張って支援なしで買えるまで貯めました!!
「何を買うつもりなのだ?」
 あ、ファントムさん置いてけぼりにしちゃった。
 話飛んじゃってすんまそん、コイツです!

 現在市販されているサウンドカードの最高峰モデル・SoundBluster AE-9!
 税込38280円のメーカー直販限定! モジュールボックスにファンタム電源付き!
 これで再生環境も録音環境もガッツリレベルが上がるぞー!!
「これは、件の話にあった『専用集積回路付きの基板』という奴か?」
 いえす! しかも、手元で簡単コントロール+マイク用電源付きのモジュールボックスが付いてくるタイプなんだ。これがあると、音楽制作用のコンデンサマイクも使えるよ。
「なるほど、これに機械を繋ぎ、そこから音を拾うことで、アルテミスや他の機械でも使える記録に加工していく、ということなのだな」
 ファントムさん、飲み込みが超早くてマジ助かります。
 流石、巨大なオペラ座の舞台仕掛けを裏で自在に使ってただけのことはあるねぇ……

 具体的には、音だけだとこんな処理になります。
 動画の場合、これに加えて画像側の処理も入りますよ。

幻影さん、コンテンツ制作者への道

 ……んー、どうしたもんかな……
 このまんま、流れでファントムさんに『動画と音声とどっちから先にやります?』って聞いたら、また『両方一緒に』って言われて話がドチャクソ延びそうな気がするし……
 ここは、私から提案してみるかな……

 ――したらファントムさん、まず、『歌だけ』の保存からやってみます?
 それと、アレもやってみます? Podcast配信。
「ぜひお願いしたい。しかし、配信枠まで貰っていいのか?」
 どのみち、私独りで気ままにやってるおまけコンテンツですし。
 好きに使っちゃってくださいな。
「思い切った事をしたもんじゃのう……」
 座学で長くダラダラやるより、実施で覚えた方が早いっしょ。
 『習うより慣れろ』。私がそうなんだけど。
 ……あ、そうそう、ファントムさん。
「どうした?」
 やるからには、必ずクリスティーヌさんにもこの事をお話しして、
 許可貰ってくださいね。

「な、何故、許可が要る?!」

「……つまりは、クリスティーヌに『消せ』と言われた場合は、
 速やかに消さねば罪に問われる、ということか?」

 そう。それは『権利者』として当然の権利の行使。
 これは一度許可貰った後でも、やはり『消せ』と言われたら消さないとダメです。
 この場合は『許可の取り消し』部分でしっかり折り合いつける必要あるけども。
 勝手に録る(撮る)のは私的利用でもあまり好ましいものじゃないですし、
 勿論、ネットへのUPなんて論外オブ論外です。
「依玖、そのへんの法の知識は、アラジンの時みたいに別にやる方がえいろう。
 それに、こん話の流れじゃと、大和守や文豪連中も呼ばんといけんろ?」
 ……言われてみると、そうだね。
 著作権はコンテンツ制作に携わる者全員が避けて通れないもんね。
 んじゃ、これは後で家に出入りする全員あてにお知らせ出しとくよ。参加自由で。
 参加しなかった人宛には、あんちゃん、あとでiPadでビデオ撮っといて。
 ……動画作ってもいいですけど。
「そっちの方がええち思うがの。この御仁に編集をやってもろうたらえいがやないか?」
 その手があったか!! ㌧クスあんちゃん。

 それじゃ次回はPodcastの実収録の前に、必要な機材の解説をしていくよ!
 宜しくね!

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